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中川 聴乃さん

エディタV2

インタビュー対談 Stride with challengers



*このインタビュー対談は、2020年12月下旬にそれぞれが別室からオンラインで参加する方法で実施しました。また、写真撮影は対談後に行い、撮影直前までマスクを着用し、撮影時には会話を控える等、新型コロナウイルス感染症予防対策について十分に留意しながら実施しました。

―中川さんはジェリービーンズブランド(JB AKINO)で、靴の開発プロデュースを行っているとお伺いしました。どのような想いで始められたのですか?




中川さん:私自身、昔からバスケットボールの選手として活動をしてきましたが、バスケットのシューズを履くことが多い中で、女性としてもおしゃれをしたい、オンオフを持ちたいという思いが現役中もありました。ただ靴のサイズが27cmで、日本で売られている靴のサイズには限りがあり、周りの選手たちも同様に、選べる靴がなくて非常に苦労をしていました。自分の足に合わないものを無理して履いて、足が痛くなることも多く、いつか自分自身も含めて、靴で困っている人のために靴をプロデュースできないかという想いをひそかに持ち続けていました。

―そんな中で、ジェリービーンズブランドで婦人靴を展開する株式会社アマガサに投資をするストライダーズの早川社長に出会い、今回のJB AKINOブランドのプロデュースの話になったそうですが、元々、早川社長との出会いは、山口さんがきっかけだったと聞きました。
中川さん:はい、山口さんに早川社長をご紹介いただいたのですが、最初は靴の話ではなく、アスリート関連のテーマでお話しようということで会いにいきました。

早川社長:弊社では棒高跳びの来間弘樹選手を社員として採用していたり、クリケット日本代表の木村昇吾選手を支援するなど、アスリート支援に積極的であることから、山口さんにご紹介いただき、アスリートの輪を広げるというようなテーマで3人でお会いしました。
 その日は、中川さんのアスリートとしてのこれまでの活動や、メディアを立ち上げたお話をお聞きしたのですが、途中から別のテーマが思い浮かび、ストライダーズの投資先であるアマガサの婦人靴の話を投げかけてみたら、「私、靴がやりたかったんですー!」みたいな感じでいきなり中川さんのテンションがあがりました笑。そして、色々なお話を聞いて、靴に対する情熱がわかったので、アマガサの社長につなげようとして、会議室の扉を開けると、なんとそこにアマガサの社長がいました。

中川さん:これはもうびっくりでした。いきなり目の前にいて笑。
早川社長:その場で会議室に入ってもらい、アマガサの取り組みを説明して、「ぜひやりましょう」ということで、その場がキックオフになりました。

中川さん:バスケットボールの解説の仕事をしていますが、コロナ禍で中継がなくなったり、イベントがなくなったらどうしようという不安があった時期でした。自分は何が好きなのか、今後どういうことをしたいのかと考える時間もあったので、そのときに靴の事業を考えていて、自分で勉強しつつあったところでした。ちょうどそのように思っていて、目の前にチャンスが来て、驚くとともにありがたいと思いました。本気で思うと目の前にチャンスがポンと現れることがあるんだな、神様は見ていてくれたんだなと思い、今まで色々なことを頑張ってきてよかったなと思いました笑。

―すごい展開でしたね笑。もともと中川さんと山口さんはどのように出会ったのですか?
中川さん:私は長崎県出身ですが、今年の春先に壱岐島に訪問し、神社の宮司さんに相談事をする機会があり、東京にこういう人がいるから一回会ってみたらどうだと言われました。緊急事態宣言があけて、東京に戻ってすぐに山口さんに連絡し、会いにいきました。その流れからの早川社長だったので、すべてが不思議というか、用意されていたかのようなストーリーでした。

―神社での相談事から靴のプロデュースが始まっていたとは笑。山口さんには、神社の宮司さんから最初どんな話があったのですか?

山口さん:私は以前、壱岐島に住んでいて、その神社の宮司さんとは教育関連のベンチャー企業へ投資をしているというような話をしていました。中川さんが宮司さんに相談した内容は、アスリートの引退後のキャリアがテーマで、学校などスクール形式で課題を解決できないかという内容だったようです。そこで、宮司さんが「学校教育といえば豪志さんじゃないですか?」と思い浮かばれたようで、「今度、中川さんという方が東京に戻るみたいだから会ってみてください」とご連絡を頂いて、私もそれに「いいですよ」と気軽にお受けしたのが最初の出会いのきっかけです笑。

―なるほど。最初は「教育」というテーマでの相談だったのですね。
山口さん:はい、そしてお話をお伺いする中で、中川さんが抱いておられる、まっすぐな想いに共感する部分があり、また、女子アスリートが抱える悩みや女性としての課題を社会でどう解決するかというテーマで身のまわりの方を紹介していて、全然違うタイミングで会っていた早川社長のことがピンと思いつきました。早川社長は「挑戦者たちと共に(Stride with challengers)」という文脈でアスリート社員を採用したり、応援したりしていて、お二人の志が近そうだなということで、ご紹介する場を作ったのが先ほどの話です。

―そして、実際会ってみたら、アスリートのテーマはもちろん、いきなり靴の話で大盛り上がりとなったわけですね。

中川さん:そこは私も全然思っていなかったです笑
早川社長:あはははは!
山口さん:うん、想定外・・・笑
早川社長:自分自身も最初はまさかその会議で「靴」という言葉を発するとは思いませんでした笑。中川さんと話をして、色々なことに情熱を持っていることを知って、内に秘めるものがある方だと感じました。これまでの辛かった話や成功した話も聞き、色々な経験をされてきた方だと思い、その中で女子アスリートの未来を考えるときに、具体的に「モノ」があると一つのきっかけになるかなと感じました。そして、たまたま靴というテーマで、ボールを投げてみたら、いきなりホームランを打っていただいた感じでした笑。

―3人の中で通ずる部分、素直さや情熱があったからこそ、このタイミング、スピード感でものごとが進んでいるような気がします。
山口さん:出会い頭ですね、誰も想定していませんでした笑
早川社長:誰の思惑でもなかった笑
中川さん:これまでずっとスポーツが中心の生活で、当然今後もスポーツは大事だが、自分自身が生かせる場所が他にあるということが知れて新しい発見でした。

―挑戦には苦労もあると思うが、今のところはその壁にはぶつかっていないでしょうか?
中川さん:そうですね、今回の靴のプロデュースに関しては今のところはまだそれほど苦労はありませんが、うまくいかなかったらどうしようという不安は当然あります。いつも最悪な状況を考える癖があり、一人でたくさん考えて、気分が上がったり下がったりすることもある。でも早川社長や山口さん、一緒にJB AKINOのプロデュースを手伝ってくださっているメンバーの方々、そして両親に背中を押していただきながら、前向きな気持ちでやらせていただいております。不安もありますが、ワクワク感のほうが大きいですね。

―山口さんは、悩んでいるスタートアップの起業家や投資先から相談を受けたり、アドバイスを求められることが多いと思いますが、いつもどのようなスタンスで声をかけているのでしょうか。

山口さん:そうですね、「悩んでる時間があったら、運動して寝ましょう」と言いますかね(笑)。半分冗談ではありますが、運動と睡眠はとても大事。一方で悩んでも仕方ないのですが、悩む気持ちもめちゃくちゃよくわかる。結局のところ後からは、あれやればよかった、これやればよかったとなるので、思いつくものはやれるだけやりきっておきましょうと伝えます。そのときに合わせて伝えるのは、やらなきゃいけないこと、やるべきことを書き出したらどうですかということ。書き出して、優先順位をどうつけるのか、やるべきことはやり、やらなくてよいことはやらない。やらなくてよいことを決めるということが実は一番大事で、やったほうがいいかなくらいのことは比較してやらなくてもよいこと。ベンチャー企業の場合は起業家自身が潰れたら終わってしまうので、起業家が潰れないように『大丈夫だから・・・』と定期的にガス抜きをする。本当に危ないときは、飛んでいって、一緒にお客さんを見つけたり、ファイナンスに向けて新しい投資家を探したりします。具体的に何で困っているのか言語化する手伝いをして、その悩みが軽くなるように知恵も含めて、周りの人に聞きながら一緒に助けるという感じが多いですね。

―山口さんからの言葉だと、言われた方も非常に響くんだと思います。
中川さん:私も山口さんと一緒に人に会う機会をいただいたときには、「次のときにはこういうことをまとめて言えるように」などと指導をいただいています。自分自身、書いて残すということは今まであまりしてこなかったのですが、山口さんのご助言で自然と書くことができるようになり、今ではノートにびっしり書くようになりました。

―JB AKINOのプロデュースについても、山口さんから適宜アドバイスをもらいながら進めているのですね。
中川さん:はい、大変ありがたいアドバイスをいただいています。進捗を報告して、言葉をいただいて、安心して、すっきり睡眠もとれて、また明日起きるというまさに先ほどのような流れで良い繰り返しができています。早川社長含めてありがたい出会いだったなと感じています。
早川社長:中川さんは課題が明確で、その課題に対するアプローチも的確だったと思います。そこに本人の想いも入っているので、すごく良い取り組みになっていると感じます。

中川さん:JB AKINOの靴のサイズ展開はすごく迷いました。今回は26.0cmから28.5cmの展開ですが、まだ実は対応できていないサイズの方もいて、先々にはそこも対応したいなという想いがあります。足の大きな人の悩みを解決するブランドになればいいなと思っていて、長く続くということが大事だと考えています。作る過程では不安もありましたが、実際にできあがったものをみると想像以上のできでした。まずは多くの人に知ってもらって、結果を出しながら、バリエーションを増やしていきたいです。靴なので、人によって足の形に合う合わないはあるので、試行錯誤しながらよりよいものを追求していきたいです。

―JB AKINOの第2弾の展開が楽しみです。
中川さん:コロナ禍においては気も滅入ってしまいがちなので、足元からおしゃれにして、気分をあげて今を過ごせたら、ポジティブな形で出会いやチャンスに恵まれると思います。私自身がまさにそのような出会いを今回いただいたので、多くの人にも同じ思いをしていただきたいです。

―山口さんにも最後に、一点お伺いしたいのですが、最近、学生のビジネスプランコンテストに関わったり、今回の中川さんの取り組みだったり、これからビジネスや事業をはじめるような方との接点も増えてきているかと思います。そういった方々との関りは、山口さんにとっても普段気づかない発見があったりするのでしょうか?

山口さん:そうですね、それは確かにあると思います。これから事業やビジネスをはじめる方にとっては、案件が今後どういうふうに進んでいくのがわからず不安になるようです。そういった点を細かく聞きながら、どう対応していけばよいかを納得いくところまでコミュニケーションを取るということが改めて大事だなと認識しました。
また、今回のプロジェクトでの驚いたポイントは、アマガサの社内チームとの連携の良さです。アマガサの社員の皆さんの動きの早さ、社長の現場の方へ任せる姿勢、そのバランスがあったからこそ、その結果としてすごくよいアウトプットに繋がったと思います。色々な方々の協力があって実現したことだと思いますが、そのような体制をスピーディーに立ち上げるというのを上場企業で実現されているのは強みだと思いますし、このスピード感とベンチャー気質は競争優位性だと感じました。

―アマガサでの最初の打合せから3カ月弱でリリース目前とお聞きしました。結構なスピード感ですよね!
山口さん:イメージのすり合わせのペースが早かったと思いますし、これやろう、あれやろう、というイメージ共有の動き出しが早く、次の打ち合わせにはもう試作品が出来ていました。まずはやってみようという姿勢が関わるチームメンバーと関係者の方々にもあって、すごく魅力的だと思います。人と人が出会って何かやりましょうよ、という話題になっても「いつかやりましょうね」と実現しないで終わってしまうことが多いのが常ですが、今回は実際に実現してしまっている。しかもそのスピードは圧倒的に早く、チームもうまくできあがっています。これは、なかなかできないことだと思いますね。

早川社長:山口さんのサポートが大きかったと思います。
山口さん:いやいや、アマガサのスピード感がすごかったですよ。特に社長の「じゃあやりましょう」の判断が。

早川社長:そういうカルチャー、雰囲気作りがストライダーズでも今年はできたかなと思います。何かやってみようと思うのはすごく大事ですが、上の人が重い腰だと実行できません。 ―Stride with challengers、挑戦者達とともに闊歩するにあたって、まずやってみようというトップの姿勢が大事ということですね。そろそろお時間となりました。皆さま本日はお忙しい中、お時間をいただき、誠にありがとうございました。
一同:ありがとうございました。 中川聴乃さんプロデュースのJB AKINOのコレクションは、新しいサービス&プロダクトの応援購入サイト「マクアケ」で1月26日から予約を開始します。
https://www.makuake.com



中川聴乃

元女子バスケットボール日本代表
高校3年時に日本代表に選出され、その後名門シャンソン化粧品やデンソーアイリスで活躍。2015年に現役引退し、現在はバスケットボールの解説やリポーター、TV番組でのコメンテーター、モデル、靴デザイナーなど様々な分野で活躍している。

山口豪志

株式会社54 代表取締役社長
クックパッド株式会社やランサーズ株式会社の創業時に参画。ベンチャー企業の創業期、成長期、IPO、そしてその後の発展の原動力として活躍した後、ベンチャー投資家として独立。現在はスタートアップ成長請負人として、主に社会インフラの領域のスタートアップ企業を発掘し積極的に投資、支援活動を展開している。

 

早川良太郎

株式会社ストライダーズ代表取締役社長
不動産事業、ホテル事業、海外投資事業を軸に国内外で10社のグループ会社を展開する投資会社を経営。「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」という企業理念のもと、元プロ野球選手で現在クリケットの日本代表の木村昇吾氏や、昨年の104回日本陸上競技選手権大会・男子棒高跳びで優勝した来間弘樹選手など、アスリート支援も積極的に行っている。